2019-01-01から1年間の記事一覧

AI時代の読む力

国語と英語のカリスマといわれる出口先生と木村先生の共著である。まあ、日頃から述べられている内容の焼き直しという感じである。特に目新しい話が書いてあるわけではない。編集者がなんとなくキャッチーなAIという言葉を入れてタイトルを作ったのがありあ…

椎名林檎

何を隠そう、私は椎名林檎ファンである。別に隠してもいないが、「歌舞伎町の女王」を聞いて涙し、「長く短い祭」で心躍らせ、「おとなの掟」を一度聴いて彼女の作品だと確信し、「目抜き通り」で彼女の底知れぬ才能に驚いた。まあ、いたってよくいる林檎フ…

現代のインパール作戦

文部科学省が炎上しています。英語の民間試験導入を事実上中止し、次に大学共通テストの国語と数学での記述式テストも雲行きが怪しくなってきました。50万人もの受験生の記述答案を公平に採点できるのか?採点員がアルバイトでいいのか?自己採点との乖離が…

言い訳~関東芸人はなぜM-1で勝てないのか

ナイツの塙さんが書いた「言い訳」が面白い。お笑いはバカでは出来ないと改めて思った。彼は現在の漫才をとてもロジカルに説得力を持って書いている。いくつか気になったところを書いておく ◎コントと漫才の違い マイク一本で勝負するのが漫才。小道具を使う…

身の丈発言から教育改革を考える

10月24日、BSフジの番組で、萩生田文科相は英語民間試験の利用で不公平感について問われたところ、次のように発言しました。 「それを言ったら『あいつ予備校通っていてずるいよな』というのと同じ」 「裕福な家庭の子が回数受けてウォーミングアップできる…

長寿祝い

先日、父親の長寿の祝いをした。孫を含めて8人でお祝いをしたが、いつまでも元気でいてもらいたいものだ。しかし、杖を使いながらころばないようにゆっくり歩いている姿を見ると、寄る年波には勝てないなとつくづく思う。 退職後は、ボーリングをしたり、俳句…

ジョーカー【ネタバレ】

こんなにも心が苦しくなる映画があるだろうか?本作は傑作である、しかし、決して心が豊かになったり、幸せな気分になったりする映画ではない。見終わったあと、暗くなった街を一人でずっと歩いていたくなるような映画だ。 この映画を一言で言うなら、世界の中…

ガタカ 

大学時代、あまりにも暇すぎてよく映画を見ていた。場末の映画館で3本立てなんてのもよく見に行き、見終わって外に出るとあたりは暗くなっていたということもよくあった。そして、レンタルビデオが隆盛期を迎えていたので、何本も借りてよく見たものだった。…

新聞各社に一言

三連休に日本列島をおそった台風19号は現時点で70名以上の死者を出す大きな被害をもたらしました。刻一刻と死者数が増えていくニュースを見て、台風の脅威を改めて感じました。幸いにして、自分の住んでいる地域では、屋根の瓦が飛んだくらいで済みましたが…

白い衝動 

「白い衝動」という小説を読んだ。殺人衝動に駆られた少年と、かつて同じような衝動を持っていたスクールカウンセラーという二人の前に、残忍な性犯罪者が出所してくるという話だが、少し冗長であった。しかし、多くの会話を通して、登場人物の人物象を浮き上…

朝日新聞インタビュー

またまた、朝日新聞ネタである。昨日の大浦信行さんインタビュー記事がおもしろかった。 大浦信行さんの映像作品「遠近を抱えて Part2」も、作中で「天皇の肖像を焼いた」と抗議の対象になっている。天皇と表現をめぐり30年以上も格闘してきた大浦さ…

脳は無理矢理こじつける

ヘんてこに見える形質を持った生き物について、どうしてそんなヘんてこな形質なのかと問われると、生きていくためには機能的にそういった形質が必要だからだろうと考えて答えを探しがちです、もちろん、「こんな形質を持っているから生きている」生物も数多…

Rain SEKAINOOWARI

Were all the year one constant sunshine, We should have no flowers. 17世紀英国の詩人、ヘンリー・ヴォーン 今日の朝日新聞 「折々のうた」より 朝日新聞の政治スタンスは基本的に好きではないが、文化面では大いに参考になる。まあ、知ったかぶりが多…

1ミリの後悔もない、はずがない。

後悔だらけの中年男にとっては、「1ミリの後悔もない、はずがない」という言葉さえ新鮮だった。1ミリどころか1メートルくらいの後悔を抱えて生きているので・・・。「あのとき、あんな事を言わなければ・・・」 「あそこで、頼んでいたら・・・」 「もっと、…

成長というのは終わりのないプロセスである

人は少しずつしか成長しない。「大人」ならわかっているはずだが、我々は自分の才能および欠点とどう付き合っていくのか、人生を通じて悩み、学んでいくのだ。成長というのは終わりのないプロセスである。また、いくら成長しても、まったく違う人間になれる…

キングオブコントに思う審査員の資質

少し前の話だが、テレビで「キングオブコント」を放映していた。お笑いに関してはこだわりがある方なので毎回欠かさず見ている。こだわりがあるといっても、笑いのツボは人それぞれなので、自分のツボにはまるかどうかで判断しているのだが・・・ 今回の優勝…

福島第1原子力発電所事故を巡る強制起訴事件

福島第1原子力発電所事故を巡る強制起訴事件で東京電力の旧経営陣3被告を無罪とした。業務上過失致死罪で求刑されていたが、誤解を恐れずに言えば、妥当な判決だと思う。まあ、著名人がこんなことを書いていたら炎上してしまうが、細々とブログを続けている…

イノベーション立国論 出口治明

今日の朝日新聞に面白い記事があった。洞察力の深さに感心したので、備忘録として書き記しておく。 「平成の30年間に、日本の国際競争力は1位から30位に落ちました。評価額が10億ドル以上の未上場企業『ユニコーン』は、世界に380匹いるのに、日本…

アーモンド

私は翻訳本をほとんど読まない。それは翻訳独特の日本語がどうしても気になって、頭に入ってこないからだ。最近はいくらかましになってきたが、昭和時代のいわゆる名訳と呼ばれる作品群(サリンジャー、ギャッツビー、トルストイ等)はあまりにも高尚すぎてお…

インターステラ ほぼネタバレ

非常に評価が高かった映画ですが、なかなか見ることが出来なかった。今回、時間が少しできたので、ようやく見ることが出来た。しかし、難解な映画である。一度見ただけでは分からなかったので、飛ばし飛ばしではあるが、もう一度見てしまった。衰えつつある地…

ドラマミシュラン

私の数少ない趣味の一つがテレビドラマ鑑賞である。鑑賞歴は20年以上になるだろうか?甘酸っぱい恋愛ドラマを見ていた頃もあったが、最近ではそういったドラマに全く触手が伸びず、刑事物、医療物、そして人間ドラマなどをたくさん見ている。そして、ドラ…

反日と嫌韓と~週刊ポストの記事から

今日の毎日新聞の社説である 「週刊ポストの特集 嫌韓におもねるさもしさ」 日韓対立の時流に乗れば、何を書いても許されると考えたのだろうか。今週発売の「週刊ポスト」が韓国への憎悪や差別をあおるような特集を組み、批判を受けている。 特集は「韓国な…

東京漫遊記

山陰旅行がダメになってしまったあとに残ったのは、前泊予定の東京だけだった。前日でもあり、欠航だからという理由も通用しないので、キャンセル料が発生してしまう。まあ、仕方が無いので、東京をフラフラしようと考えた。この際、田舎では出来ない都会な…

グーグルの便利さと恐ろしさ

少し前の話だが、お盆を利用して山陰地方を巡る旅を計画した。出雲大社や鳥取砂丘など、普段なかなかいけないところ(あるいは一生行かないところ)を巡ってみようと思ったわけだ。JALの超早割で3ヶ月くらい前にネットで予約をしておいた。ホテルもレンタカー…

線は、僕を描く

メフィスト賞受賞作らしいが、その賞がどんなものか僕は知らない。しかし、文句なしに素晴らしい作品だ。読み切ったあとそう思わすにはいられなかった。 物語は、両親を突然失って、自らの殻に閉じこもってしまった青年が水墨画を通して、少しずつ自分を取り…

天気の子

「天気の子」を見て来た。それほどアニメを見ているわけでもなく、まして新海誠監督のファンというわけでもない。しかし、「君の名は」を見てアニメの世界の広さに驚いた。そして、この作品を超えるものは残念ながら作れないだろうと思っていた。 そんなたい…

あいちトリエンナーレ騒動について

相変わらず「あいちトリエンナーレ」問題があちらこちらで話題になっています。 津田大介さんが芸術監督をした、「表現の不自由展~その後」において平和の少女像=(いわゆる従軍慰安婦像)や昭和天皇の写真を燃やしている作品などが展示されたことで、一気…

初・登山

世の中、登山ブームである。「今さら何を」と言われそうであるが、私の周りの人々もかなりの割合で山にのめり込んでいる。休日になると山へ出かけていき、LINEで登頂を知らせてくる。たまに3,4人で泊まりで3000m級の山へ出かけていくこともある。「山…

映画「新聞記者」

あらすじ東都新聞の記者・吉岡(シム・ウンギョン)は、大学新設計画にまつわる極秘情報の匿名FAXを受け取り、調査を始める。日本人の父と韓国人の母を持ち、アメリカで育った吉岡はある思いから日本の新聞社に在職していた。かたや内閣情報調査室官僚の杉原(…

旧友との再会

10年ぶりに旧友と会った。高校時代に知り合ったのでかれこれ四半世紀以上の付き合いではあるが、それほど頻繁に会うと言うこともなかった。最近では年賀状のやりとりでお互いの近況を伝え合うくらいだったが、久しぶりに会おうと言うことになった。 彼は高校…