「メッセージ」 ネタバレ

「メッセージ」という映画を見た。巣ごもり中なので、何か面白い映画をやっていないかとネットで調べていたが、以前気になっていたこの映画をレンタルしてきた。ジョディフォスターが主演の「コンタクト」という映画があったが、かなりテイストとしてはにている。アメリカ映画としては意外だが、善悪やストーリーのわかりやすさは一切なかったが、そこかしこに伏線が引かれており。最後の回収も見事だった。
 さて、本題に入ろう。あらすじは
 
ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。
 
 はじめに主人公のフラッシュバックが続き、どうやら彼女は子供を亡くしているようで、全体的に暗いトーンが続く。そして、謎の知的生命体とのコンタクトを図るために、物理学者の男性とチームを組んで取り組むのだが、二人の会話の中に、言語によって概念が形成されると考えている彼女と、数学によって形成されるという彼の考えについて簡単に触れられている。そして、たこのような古典的な宇宙人が書く不思議な文字を解明していく。そして、彼らが伝えていることが言葉であるということを知るのだ。
 彼らの言葉に少しずつ感化されていく彼女はあるとき彼らの言葉には時間という概念がなく、その結果、その言葉を理解した自分が未来を見ていることを知る。そう、まさに言葉によって概念が形成されているのだ。そして彼らが伝えたかったことはこの未来を見る能力であったのだ。
 
 こうやって書いてしまうと、種明かしをされた手品のようであるが、映画では伏線がさりげなさ過ぎて最後の瞬間にすべてつながるというカタルシスを感じることができる。
 普段おとなしい人が、英語を話すときだけ雄弁になることがある。言葉はそれほど人に影響を与えるものだ。この映画はSFを通して言葉の重要性と影響力を我々に伝えている。日本語だからこそできる発想があり、英語だからこそできる発想もある。言語の奥深さを改めて感じられる一本である。